俺様不器用男子の甘い愛情



5時間目が始まる予鈴と同時に、教室に戻って来たのは………


恭平くんだけ。


それもすごく深刻そうに困った顔です。


「……恭平くん?」

「茉璃ちゃん……。ったく隼世のこと手に追えないよ」

「何かあったんですか?」

「うん。アイツさ、主将頼まれたんだけど断ったんだよね。主将やるなら退部しますって……らしくないよね」

「え……。そ、それで隼世くんは!?」

「今、監督に説得されてる。責任感じ過ぎ…」



あんなに大好きなサッカーをそんな簡単に辞めちゃうんですか?


それに……せっかくの主将ですよ?


主将やりたい人だって、たくさんいると思うのに……。


「恭平くん!隼世くんどこですか?」

「第二会議室だよ。……って、えっ!?茉璃ちゃん!?」

「先生には保健室に行ってると伝えといて下さい!お願いします!」



恭平くんの引き留める声が聞こえる。


でも、今はあたしが隼世くんを引き留める番。


このままだったら隼世くんが後悔する道選んじゃう。


階段を駆け降りて向かう先は第二会議室。


「隼世くん…!」


ちょうど廊下を歩いてた隼世くん。


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