俺様不器用男子の甘い愛情
あたしに気付くとまた切なそうな笑顔。
どうしよう………話すことまとまってないのに走って来ちゃった…。
「茉璃?もうすぐ授業始まんぞ」
「知ってます……。恭平くんから聞きました。主将の件、どうしたんですか?」
「監督のごり押しで引き受けた」
「よかったー……」
ほっと一安心したところで、隼世くんが話を続けた。
「でも……もうあんま部活行かねぇかも」
「どうして…?」
「スタメンフル出場で、大事な場面でミスをした。行けるわけねぇよ」
悔しそうに下を向いて、いつもの余裕な隼世くんがいない。
誰一人隼世くんのこと責めてないのに……。
責任感じ過ぎだよ。
一人で何でも背負い込んで誰にも……彼女のあたしにすら弱音を吐いてくれない。
そんな強がりもう見てられません。
「隼世くんのバカ!あたしに弱音の一つくらい吐いて!弱味見せて!」
「彼女に弱味見せてどーすんの?なんかあるわけ?」
「少しは楽になれるでしょ?だからそのっ……」
必死になるあたしの頭上に降りかかってきた言葉。
「ほっといて」
見上げれば冷たい隼世くんの視線。