俺様不器用男子の甘い愛情
俺は………茉璃にフラれたんだ。
時間が経ってやっと気付いた。
校内は俺と別れたって噂よりも、あのパーフェクトイケメンの有阪に彼女が出来たってことで持ちきり。
だから、もちろんコイツらの耳にも自然と入るわけで………
「マジで有り得ないな……。あの有阪と茉璃ちゃんが、だよ?」
「あたしも思う。絶対に裏があるはず」
「さぁ?俺もよく分かんねぇや……」
茉璃がいない昼休みの教室で、俺と恭平と玲菜ちゃんの3人で話す。
俺が一番ほんとのこと知りたいっつーの。
別れるタイミング急過ぎだろ………。
「茉璃さ……あたしにもほんとのこと話してくれなくて……。困ってるの」
「玲菜にも話せない理由があるんじゃないの?」
「何よそれ~!茉璃かなり水くさいよ……」
「言いたくないことの一つや二つくらいあるだろ?」
「あたしは茉璃に何でも話してほしいの!相談にも乗るのに……」
あー……俺らのせいで、恭平と玲菜ちゃんまで危なくなりそう。
この二人は巻き込めない。
「その内分かるだろ!もう、この話やめよーぜ」
「隼世は悔しくないの?よりによって有阪だよ!?」
「アイツが……茉璃が幸せなら、俺はなんも文句ねぇから」