俺様不器用男子の甘い愛情
自然と押し倒される形に。
これはダメ─────。
あたしは急いで起き上がろうとすると、そのまま手首を押さえ付けられた。
「……どうする?」
「へっ?」
「このままヤっちゃう?それとも………もう少し焦らす気?」
「あの……は、離して下さい……」
「無理。だって俺……茉璃のことすっごい好きなんだよ…」
切なそうな声とともに降ってきたのは、深い深いキス。
ごめんなさい隼世くん………。
今すぐ隼世くんのところに逃げたいよ………。
助けて………
「ヤダ………ほんとにっ……ヤダっ…」
「サッカー部主将ケガする方が、もっと嫌じゃない?」
「ヒドイです!有阪くん……ヒドイ……」
「それが条件でしょ。嫌なら脱げよ」
冷たい口調と、冷たい目線。
恐くてしょうがなくて………
有阪くんの腕を振りほどいて、カバンを持ち走って家を出た。
走って走って………
ひとりぼっちのあたしが辿り着く場所なんてないのに。