俺様不器用男子の甘い愛情
けっこう長くキスしてたら、茉璃からギブアップの合図。
胸をトントン叩かれる。
「もうギブ?」
「当たり前じゃないですかっ!苦しい…」
「必死そうな顔、可愛かったけど。もっかいするか」
「しませんー!」
「冷たー!」
ぐいっと茉璃に押し返されてキス失敗。
あの必死で苦しそうに俺にしがみつくのが、可愛くいじめたくなる。
でも、嫌がってるから今日は引く。
「茉璃のリップ完全に取れたな」
「え、ほんとですか?」
「ほんとです。リップ貸してみ?」
「うんっ」
俺に渡されたピンクのリップ。
それを茉璃の小さな唇に塗ってあげる。
ん、可愛い。
「隼世くん」
「なに?」
「なんだか、キスしたくなってきちゃった」
「今塗ってやった意味ねぇだろ。唇かじるぞコラ」
「ごめんなさいー!」
逃げようとした茉璃に噛みつくようにしたキスはリップの甘い匂いに包まれた。
煽ったのそっち。