俺様不器用男子の甘い愛情



あの時、あたしは一瞬ためらった。


前なら考える1秒の時間もなく、有阪くんって答えたのに……。


隼世くんがジャマします……。



放課後、一人で玄関に行くと靴を履き替えてる有阪くん。


今日は部活お休みなんだね。


たまには、あたしから話し掛けてみようかな……。


「おっ、茉璃ちゃん。今帰り?」

「う、うん!今帰りですっ」


悩んでる間に、有阪くんが話し掛けてくれた。


やっぱり悩んでる時間って無駄なんだね……。


「そうだ!なんなら途中まで一緒に帰ろっか?」

「ええっ!?」

「嫌だ?」

「ぜっ、全然!むしろそのっ……う、嬉しいですっ」

「よかった~!茉璃ちゃんに拒否られるかと思ったよ」


あたしが有阪くんを拒否るはずない!


今日は運が良すぎて逆に恐いくらいなのに!


あんなに憧れて、ずっと片想いしてた王子様と二人で帰れるなんて………


玲菜、あたしやりました!!



「あっ、有阪くん!帰りましょ!」

「茉璃ちゃんってほんと一緒にいて飽きないなぁ~」


ちょっと、タブらかされてるか不安になるけど………


大丈夫だよね……。


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