俺様不器用男子の甘い愛情
「好きだよ」
その声は女の子じゃなくて、間違いなくあたしが恋した有阪くんの声。
「ほんとに~?嬉しーい♪」
「ほんとだってば。君が一番かわいいよ」
「もう!晃大ったら~♪」
甘ったるい女の子の声が、嫌とゆうほど耳障りであたしの心を掻き乱す。
そして………
有阪くんは女の子をそっと抱きしめて、ポンポンと頭を撫でた。
嘘、ですよね?
あたしはその場から走って逃げた。
自分にしかしていない……勝手にそんな考えをするあたしもバカ。
涙が溢れた瞬間、隼世くんの言葉を思い出す。
“ドン底見ても知らねぇよ?お前が傷付いても助けないし”
あたしが世間を知らなすぎた……
隼世くんが言ってたこと全部、全部合ってたよ。
最初から分かるはず。
あたしと有阪くんが釣り合うはずないってことぐらい。
こんな風に、片想いが崩れるなら有阪くんを好きにならなきゃよかった……。
恋なんて大嫌いです……。