俺様不器用男子の甘い愛情
ほんの数秒のキスで唇を離すと、瞬きをして口を両手で隠してる茉璃。
有阪は……いなくなったか。
でもこの二人の空気は果てしなく気まずい!
そもそも俺ら付き合ってないし。
それにこれが茉璃の初キスだった時な………
責任の取りようねぇ!
「まさか………このキス初めてだったのに、とかそんな展開じゃねぇよな?」
「そんな展開なんですけど、どうしたらいいですか?……はっ、隼世くんはあたしの初めて全部取ってきます!」
「全部取る気だけど……悪い?」
「っ……」
だからお前は放っとけねぇんだよ。
あんな最低な男といて自分を落とすくらいなら俺といろよ。
本気でそう思うのは、完全に俺が茉璃のこと好きなせい。
「隼世くんは女の子とのキス当たり前かもだけど……あたしは初めてだし緊張するの!」
「勘違いすんな。俺だって……好きなヤツとするのは緊張した。んで………今度もっかい告白すっからな!」
今告白しても弱ってる時だし不利だ。
だったら、有阪の件がもうちょい落ち着いてからコクる。
「……じゃ、俺は部活戻るわ」
「待って!あの……あ、ありがとう!隼世っ!」
初めて“くん”が取れた。
これって少し期待してもいい感じ!?