俺様不器用男子の甘い愛情
□もちろん本命は俺にだよな
【隼世side】
まだ寒さが残る2月。
この時期ってとにかくめんどい。
その原因は、望んでもいないお節介な学校の女子達。
「隼世くん!今年、チョコあげる~♪」
「え~ズルイ!あたしも~」
「ん、どうも」
これに対して冷たい反応で対処するのが俺。
物心付いた時から、バレンタイン前は常にこの状況だった。
はぁー……正直言ってウザイ。
だけど、恭平は違う。
「恭平くんにもチョコあげるから待っててね~♪」
「あたしも恭平くんにあげちゃう!」
「みんな俺にくれるの?ありがとう!バレンタイン待ってるねっ」
恭平の笑顔に大抵の女子はみんな悲鳴に近い歓声。
恭平ほど女子の対処にうまいヤツいないと思う。
笑顔を振り撒く恭平の隣を歩く無愛想な俺は、どんなに性格悪いか……。
でもそんなのどーでもいい。
女子は茉璃だけで十分。