俺様不器用男子の甘い愛情
あー………ほんっとに腹立つ。
普通の女子ならキャーキャー言って喜ぶのに、アイツは怯えた顔してさ。
そんな取って食ったりしないっつーの!!
「あ……隼世。くるみさん来てるよ」
「うわ……。クラスまで来るなって言ったのに」
「彼女だろ~?文句言わないで行ってあげろよー」
恭平にバンッと背中を叩かれて、渋々教室から出る。
茶髪の巻き髪に幼い顔立ちで、校内の美少女と言われてる1個上の先輩の北原くるみが俺の彼女。
「隼世っ!来ちゃったっ」
「来るなって言っただろ?」
「むぅ~!なんでダメなの?くるみは隼世の彼女じゃん」
「次来たら別れる。嫌なら来るな」
「しょうがないなぁ~」
別に教室まで来てもいい。
ただ、来てほしくなくなったのはアイツ……あの女の存在を知ってからだ。
あの女には見付かりたくなかった。