俺様不器用男子の甘い愛情
ずっとニコニコ笑ってる後輩を部室に連れて行くと、申し訳ないくらい感謝された。
まぁ、悪くないけどさ。
今日から本格的に後輩と合同練習。
去年は俺らだったのにいつの間にか、先輩になって教える立場。
「なんか早いね~、隼世!」
「だなぁー。恭平が教えるヤツ誰?」
「あの黒髪正統派イケメンくん。1年生で人気の子らしいよ」
「ふーん」
さすが恭平は1年の情報まで知ってる。
俺が一対一で教える子はどんな子かなー?
監督の練習始め!の掛け声で、自分が担当する子が来る。
俺のところに走って来たのは………
「よろしくお願いします!隼世先輩!って………あ!さっきは、ありがとうございました!」
「偶然だな。名前は~……」
「璃玖(Riku)です!優しい先輩で俺すごく嬉しいです」
新品のユニフォームに付けた名札をくいっと俺に見せる。
なんだよ、この女みたいにかわいい男!
生意気なヤツじゃなくてよかったけど、逆にやりにくいな……。