俺様不器用男子の甘い愛情



練習が終わった夜、一人で街灯に照らされる道を歩いてるとスマホが鳴った。


茉璃からじゃん!!


「もしもし、茉璃?」

『隼世くん!久しぶり~♪』

「電話してくるなんて珍しいな。なんか、あったの?」

『ううん!ただ……ちょっと隼世くんの声聞きたいなって』


さらっとかわいいこと言う。


電話じゃなくて今すぐ会いに行きたくなるけど、そんなこと言えるはずない。



「お前、帰宅部だから家で暇じゃん?ゴールデンウィーク明けたら太ってたりして!」

『そ、そんなことないもん!太ってない!…それより部活忙しいんでしょ?』

「休みナシだから普通に忙しいかな」

『体調管理気をつけてね?寂しいから学校休んじゃダメだよ』

「分かってるっつーの!心配すんな」


電話越しに聞こえるかわいい笑い声。


近くに行って抱きしめたい。


「会いたい」って言葉を隠して電話を切った。


もうすぐ学校で会えるからさ。


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