俺様不器用男子の甘い愛情
次の日の部活で、また一対一の練習。
ただ今日は璃玖の機嫌があからさま悪そう。
ニコニコしてない璃玖って初めて見たし。
「……り、璃玖?なんか嫌なことあったか?」
「隼世先輩聞いて下さいよ!」
ムスッとした表情で璃玖は言った。
「お姉ちゃんに彼氏が出来たっぽいんです!」
「お、お姉ちゃん?いいじゃん別に。お前好きな子いるんだろ?」
「察して下さいよ。俺の好きな子」
「………姉ちゃんのこと好きなの?」
璃玖は照れくさそうに笑って小さく頷いた。
俺のかわいい後輩が、まさかの姉弟の禁断の恋愛ですか!?
こんなこと現実にあるかよ……。
「でも、姉ちゃんに彼氏いるならそこは素直に喜んでやれよ」
「俺の方が好きになったの先なんですよ?……お姉ちゃんにプロポーズしたのも……」
「璃玖にもその内、景色変えるような女出来るって」
「俺は……お姉ちゃんが世界で一番最高な女の子って思ってますから」
これは相当なシスコン!?
こんな完成度高い顔してんのに、コイツ損してんなぁ~………。
てか、弟が惚れるほどの姉ちゃんを見てみたい。