道化師の宴

そこにいたのは真司だった
「こんなところにいないで早く帰ろうぜ？」

真司はいつもと変わらない、不自然なくらいに…まるでさっき美咲が死んだことも知らないかのように…

「氷雨がこの書斎に入りたがらないんだけど、真司は一緒に入るよな？」
真司は悠吾の問いかけに頷いた

「じゃあ、悠吾、一緒に入ろうか…」

なにか不自然だ…何が不自然なんだろう…思い出せない…

悠吾が書斎の扉を開けようとしたその一瞬、ニヤリとした

「開けるなっ！」僕は叫んでいた、腕の痛みも忘れて

悠吾は足に傷を負っていたはずだ
なぜそんなに俊敏に動ける…

「お前はっ…誰なんだよ…」
僕の問いかけに2人は訳がわからないように首をかしげた

「悠吾…足の傷はどうした…」
僕が言ったその時、悠吾の顔がかすかに歪んだ