恋がしたい。




「あっ!?」



さっき受けた懐かしい感じは……気のせいじゃなかった。


びっくりしたあたしに彼は笑顔で、


「ヒメ〜元気だった?気付くの遅くない?」


と、昔と変わらない、くしゃくしゃの笑顔を見せた。



「マーくん……」





名字が変わってて、一瞬戸惑った。


マーくんはあたしの幼なじみ。


小学校卒業と同時に引っ越して遠くに行っちゃった人。



親の離婚が原因だって、あとからうちのママに聞いたの。



家もお隣だったし、
毎日一緒にいたから、
いなくなった時は、
そりゃあもう大泣きした。



マーくんに抱いていた淡い恋心を、離れて初めて気付かされたんだ。




つまり、この人は、あたしの初恋の人。







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