恋がしたい。



「あら、知り合いなの?」

と店長がカウンターに近付いてきた。


「は、はい、幼なじみなんです。」

慌てて答えるあたし。


「え〜?偶然の再会?!すごいねぇ〜!」


柔らかく微笑み、店長に一礼するマーくん。


あぁダメだ、あたし

また悪い虫が……




自分の中に芽生えそうな淡いこの気持ちを、

あたしは全力で否定した。




「マーくん、今日は、どうするの?」



「あ〜…とりあえずカラーと、
あとは…せっかくヒメに会ったんだし、おまかせするよ!
まさか美容師になってるとは、思わなかった!」


「う、うんまだ新人だけどさ…
じゃぁ、まかせてね」



マーくんそれ以上しゃべらないでー!!

あたしの神経は、マーくんに集中してしまうよ。







< 16 / 103 >

この作品をシェア

pagetop