恋がしたい。
「あら、知り合いなの?」
と店長がカウンターに近付いてきた。
「は、はい、幼なじみなんです。」
慌てて答えるあたし。
「え〜?偶然の再会?!すごいねぇ〜!」
柔らかく微笑み、店長に一礼するマーくん。
あぁダメだ、あたし
また悪い虫が……
自分の中に芽生えそうな淡いこの気持ちを、
あたしは全力で否定した。
「マーくん、今日は、どうするの?」
「あ〜…とりあえずカラーと、
あとは…せっかくヒメに会ったんだし、おまかせするよ!
まさか美容師になってるとは、思わなかった!」
「う、うんまだ新人だけどさ…
じゃぁ、まかせてね」
マーくんそれ以上しゃべらないでー!!
あたしの神経は、マーくんに集中してしまうよ。