恋がしたい。



まだ、カットは本当に自信ないんだけどなぁ…


不慣れな手つきで、慎重にシザーを捌く。

さっき、頭で思い描いた通りに…

髪を切っていく。



真剣な表情で、鏡に映るマーくんを見る度、目が合わないように視線をずらす。


目が合ったら、絶対あたしは手が震えて、
できなくなってしまうから。




1時間くらいかけて、何とか終わった。

思ったより短くしちゃったけど、さわやかな感じで、逆に似合ってる?かな…



「ごめんね、今日時間大丈夫なの??
あと、長さも…短めにしちゃったんだけど…よかったかな??」


「うん、今日はバイトも休みだから全然大丈夫。
それよりヒメ、超上手いじゃん!
驚いた。
今まで行ってたところとは比べものにならないよ!」


「そ、そっかな…ありがと」


こんなに真剣に仕事したのは初めてだからね…。


あたしは凄く嬉しくて、ニヤけてしまった。



マーくんに認められた!


誰に褒められるより、嬉しいと思う。






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