恋がしたい。
フルーツの甘い香りがするムースワックスでスタイリングして、仕上げた髪。
マーくんはモロあたし好みの髪型になり、ますますカッコよくなった。
あたしも店長も、思わず見とれてしまうぐらいに…
「ヒメ、ありがと!さっき受付で渡された紙に、
携帯番号書いといたから終わったら電話して♪」
そう言って、マーくんは去って行った。
依然とあたしの胸の高鳴りは止まらない。
「カッコイイじゃん!!ヒメちゃんやるね〜!」
店長があたしを冷やかす。
「でも、ただの幼なじみですから…」
「わかんないでしょ?失恋の特効薬は新しい恋だって!!」
「イヤ、恋はもうしませんから…」
そう、
恋なんて、いつか終わる。
好きになるだけ損だ、
傷ついて、ボロボロになって、
泣くだけ。
よくわかってるんだ、あたしは。