恋がしたい。



「いらっしゃい!」


中に入って一通り見渡しても、
まだマーくんの姿はない。


あたしはいつもの、左端のカウンター席に座った。


「ヒメちゃん、今日は一人酒?!」


マスターがいつものように減らず口を叩く。


少し馴染んだ表情のリョータくんが、


「一瞬誰かわかりませんでした…」


と、おしぼりをあたしの分だけ持ってきた。

そっかあたし、前回目が腫れてひどい顔してたんだ…

今回はかなり気合い入ってるからね!



「びっくりしたでしょ?残念だけど今日は二人だからね〜♪」



そう言った頃、ちょうどマーくんが入ってきた。

すぐにあたしに気付き、隣に座った。


マスターとリョータくんの驚いた顔!超笑える。


あたしがこんなイケメン連れてくるなんて
想像もしてなかったでしょ。


「あ、あたし生ビールね!」

「うん、じゃあ俺も。」



こうして見ると、
マーくんやっぱカッコイイなぁ〜


隣だから、直視できずに、チラチラ目線を送る、気持ち悪いあたし。





< 28 / 103 >

この作品をシェア

pagetop