恋がしたい。
「いらっしゃい!」
中に入って一通り見渡しても、
まだマーくんの姿はない。
あたしはいつもの、左端のカウンター席に座った。
「ヒメちゃん、今日は一人酒?!」
マスターがいつものように減らず口を叩く。
少し馴染んだ表情のリョータくんが、
「一瞬誰かわかりませんでした…」
と、おしぼりをあたしの分だけ持ってきた。
そっかあたし、前回目が腫れてひどい顔してたんだ…
今回はかなり気合い入ってるからね!
「びっくりしたでしょ?残念だけど今日は二人だからね〜♪」
そう言った頃、ちょうどマーくんが入ってきた。
すぐにあたしに気付き、隣に座った。
マスターとリョータくんの驚いた顔!超笑える。
あたしがこんなイケメン連れてくるなんて
想像もしてなかったでしょ。
「あ、あたし生ビールね!」
「うん、じゃあ俺も。」
こうして見ると、
マーくんやっぱカッコイイなぁ〜
隣だから、直視できずに、チラチラ目線を送る、気持ち悪いあたし。