来い恋
「失礼します。・・・柴田課長。」
「おー。吉野久しぶり」
柴田課長は入社した時の私の上司だった人で、今でもすれ違うと声をかけてくれる。
「お久しぶりです。これ次長から預かってきました」
柴田課長は伝票を受け取ると中身を確認した。
「お~~ありがとう。助かったよ」
「いいえ。ではこれで・・・」
「吉野・・・ちょっと時間あるか?」
はて?課長忙しいのでは?と思い
「ありますが、課長忙しいのでは?・・・」
すると何か思い出したかのように
「中田次長がそういったんだろ?・・・本当はちょっと吉野に話したい事があって
それで次長に君を寄こすようにお願いしたんだ」
何で柴田課長が私に話があるのか全く分からなかった。

私は柴田課長と共に会社の近くのカフェに来た。
コーヒーを注文したが
どうして会社のカフェスペースではなく、こんなとこになのかと
疑問でいっぱいだった。
「なんでこんなところで?って思ってるだろ~」
図星をさされ下を向いてしまった。
「ん~~会社だと誰が聞いてるかわかんないしね」
そういうと柴田課長は目の前のアイスコーヒーにストローをさし
一口飲んだ。
「聞かれちゃまずい話を私にしていいんですか?」
何だか凄い機密を私がうっかりみちゃったからとか?
・・・覚えは全くないが・・・
「ハハハ、やっぱりお前は面白いな。原田が気にいる訳だ・・」
え?今原田っていいました?
原田って・・・あの原田・・・だよね。
「あ・・・あの・・・」
「君たち付き合ってんだろ?」
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