来い恋

「吉野さん・・・おはよう～」
いつも以上にふんぞり返り、腕を組んで立っていた。
「お・・・おはようございます。まだ・・次長たちは・・」
「あなたに用があるの・・・吉野さん」
私の言葉は四宮さんにかき消された。
「わ・・たしですか？」
何だか嫌な予感がした・・・
「あなた・・・・彼氏がいるって私に言ったわよね。」
ちょ・・・ちょっとメチャメチャヤバそう・・・
「おはよーっす」
こんな時に誰？とおもったら小野寺主任が呑気に入ってきた。
四宮さんは私の手を掴むと小声で「場所変えるわよ」というと
「小野寺主任、おはようございます。・・・この子ちょっと借りますので」
小野寺主任に営業スマイルで挨拶すると返事も待たずに
従業員用階段の踊り場まで連れてこられた。
四宮さんは私を壁側に立たせた。
「あなたの彼氏って誰よ・・・」
さっき、小野寺主任に挨拶した時よりも
２オクターブは低い声
「彼氏は・・・・その・・・・・」
私、今朝亮輔さんに本当の事を話すって意気込んだけど
この状況で本当の事を言う勇気がでませ～～～ん。
あー私って本当にダメダメ女だ。
「まさか・・・原田課長・・じゃないわよね？」
え？ええええええ！