来い恋
ええええい!もうここは腹くくって煮るなり焼くなりしてくれってんだ!
「ごめんなさい!原田課長とは結婚前提にお付き合いしてます。」
私は四宮さんに頭を下げた。
私は次の言葉を待ったがいくら経っても四宮さんからの言葉がない。
恐る恐る顔を上げると
・・・・・怒ってる・・・凄く怒ってる
「し・・・のみや・・さん」
「何で・・・何で言ってくれなかったの?」
「・・・・・」
「私が何に対して怒ってるかあなたわかってる?」
「そ・・それは・・つきあってる・・から?」
四宮さんは私に詰め寄ると
「馬鹿にしないで!」
え?
パーンと平手打ちが飛んだ。
え?私今・・・叩かれた?
最初はわからなかったが徐々に頬がジンジンした。
「何で嘘ついたのよ!確かに原田課長は人気があってみんな狙ってた
わよ。でもね・・・人気があるから嘘ついたは理由にならないのよ。
彼女がいるのにその彼女が「原田課長には彼女はいません」って
どれだけ馬鹿にすればいいのよ」

ショックだった・・・・
四宮さんの言ってる事は間違いじゃない。
もしこれが逆の立場だとしたら・・・・私は自分のことしか考えていなかった。
なんて浅はかだったのだろう・・・・
「ごめんなさい。自分の事ばかり考えていました」
気がつくと涙がこぼれていた。
「原田課長の彼女があなただって分かれば、多少のごたごたはあったと思う
でも、それはあなたに限らずあなた以外の子が彼女になったって同じだったはずよ」
四宮さんの言うとおりだった。
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