来い恋
お目当てのショップに着くと自然と鼻息が荒くなる。
「海君、かわいい布がいっぱいあるね。・・・どれがいい?
ゾウさんもあるし・・かえるくんもあるよ。あっ!ヨットやアンカーも。」
明らかに私だけがテンションあがってる。
「ママ―!ブーブー。ブーブー欲しい」
海斗が指さした生地は小さな車がたくさんついたかわいいニット生地。
「海君かわいいの選んだね。じゃあ、これでTシャツでも作ろうかな?」

気がつくとあれもこれも魅力的な生地に創作意欲も増すが
購買意欲もわいてしまってこのままでは凄いことになるため
自分のチュニック用の生地と海斗の車柄ニット生地とグリーンと黄色と白の
マルチボーダーニットを購入した。


気がつくともうすぐ12時だ。
「マーマー。ジュース、ジュース」
海斗が私のワンピースのすそを引っ張りながら自販機を指さした。
「ジュース?そっか・・・何も飲んでなかったもんね。ごめんね気がつかなくて」
私はバッグの中から子供用のパックのジュースを取り出すとストローを刺して
海斗に渡した。
海斗は勢いよく飲むと一度離し、「おいちー」といい再び飲みだした。
私も小さい水筒を取り出し冷たいお茶を飲んだ。
「おいしいね」
海斗も「おいちね(おいしいね)」と言って残りを一気に飲み干した。


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