来い恋
レストラン街は10階にある。
エレベーターで移動しようかと思ったが4階は中途半端な階なので
エレベーターが開いてもたくさんの人が乗っていてなかなかのれない。
・・・これで3回見送った。
本当は嫌だけど、このままだと時間だけが過ぎてお昼が遅くなると思い
仕方なくエスカレーターに乗ることにした。

何でかって言うと
私のいるすぐ上の階が亮輔さんの担当部署だから。
そんなに警戒する必要があるの?と思うが
亮輔さんの場合は特別。
何てったってあの亮輔さんだよ。
私がまだここの社員だった頃、私の上司だった亮輔さんの人気は半端なかったんだから

婦人服売り場なんて8割がテナント、綺麗に着飾ったスタイルの良い店員が
いたるところにいるんだよ。
ハーレムだよね・・・
仕事の話だとしてもそんな綺麗な人たちと喋っているのを見たくないって言うのが
私の本音。
私の心が狭いのかな?
イケメンな旦那さんを持ってしまった運命なのか・・・・
とにかく早く6階に行きたいという思いで、視界に入らないように海斗の方を
見ながら乗っていたが

「パーパ、パーパ」
いきなり海斗が指をさしながら斜め上を指している。
私は海斗の指さす方を見た。
するとそこには・・・

ばっちりと目があった。
驚いたのは私だけではなかったようだった。
しかも彼の横には綺麗な女性がいた。
< 170 / 176 >

この作品をシェア

pagetop