来い恋

男性スタッフが
「それではお食事をご用意させていただきますが、お飲み物は？」
と質問してきたが何だかさっきよりも話し方がフレンドリーな感じがする。

「・・・何でお前が接客なんだよ。」
ぶっきら棒な声が聞こえた。声の主は課長だった。
え？何？
課長の顔を見ると不機嫌そうに男性スタッフを見ている。
その時一瞬課長と目が合った。
だがその目がすぐ後ろの男性スタッフに向けられた

「あ、吉野悪い。こいつ坂崎って行って俺のつれなんだ。」
すると先ほどまでの営業スマイル？から素顔に戻り
「吉野さんはじめまして。原田の友達でここのオーナーの坂崎（さかざき）っていいます。
よろしくね。いや～こいつが初めて女の子連れてくるってきいてたからさ～～。
でもかわいいこじゃん。おい原田どこで見つけたんだよ」

坂崎さんはニヤニヤしながら私と課長を見てるし、課長は課長であっち行けオーラ全開。
しかも初めて連れてきたとかいってるし何が何だか分からなくなってきた。
「どこだっていいじゃねーか。吉野はビール飲めるか？」
本来ならお見合いでいきなりビールなんてありえないんだろうけど
この状況で素面は持たないと思い。
「はい！」
とついいつもの様な返事をしてしまった。
その返事に坂崎が笑いをこらえてる様だった。
課長もこれ以上突っ込まれたくなかったようで
「じゃー生中２つ、大至急！」
坂崎さんを追い出すように言った。
それから間もなくビールが届いた
緊張のあまり乾杯すると私は生中を一気飲みしていた。