来い恋

社内一のモテ男と付き合うということは・・・

午後6時15分を少し過ぎた。
待ち合わせのカフェで亮輔さんを待つことかれこれ30分
カフェ・オンブラージュ・・フランス語で木陰という意味らしく
ナチュラル素材とグリーンをふんだんに使った店内は
木陰という名にとてもマッチしていた。
テーブルに飾られているグリーンのアジサイもとても可愛くって
オーダーをとりに来た店員さんに花の名前を聞いてしまうほど
私はすっかり気に入ってしまった。

亮輔さんがここを待ち合わせにしたってことはここの常連さんなのかな
女性受けするこのカフェでまさか1人ってことは・・・ないよね。
そう思うとなんだか複雑な気分。
帰り際に亮輔さんの姿を見たがまだ少しかかりそうな感じだったので
本屋で大好きな作家の新刊を購入し、
時間を潰そうとした。
でも何だかそわそわしてしまい、読んでいる小説の内容もあまり入ってこない。
それにここは裏通りといっても会社の近くだから、
もし知ってる人に目撃されたらと思うと気が気ではなかった。
飲みかけのアイスコーヒーは解けた氷のせいでかなり水っぽくなっていた。
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