来い恋

「・・・野さん…吉野さん聞いてる？」
「あ！すみません」
「とにかく！課長が出張から帰ってきたらそれとなく聞いてくれない？」
「私がですか？」
「あなた以外誰がいるっていうの？」

またそれかよ。
持ち上げてるように聞こえるが持ち上げてないよね～～
今までこの人からいろんな事を頼まれたがお礼もなければ感謝もされない。

「たまには四宮さんが直接お聞きになったらいかがですか？」
「わ・・私がそんなこと聞ける訳ないじゃない。原田課長に嫌われたくないもの」

四宮さんは顔を真っ赤にして手に持ってたハンカチをくるくると巻いてはほどいてを
繰り返しているが、じゃあ何か？私は嫌われていいのか？
だけどね、四宮さん。あなたには申し訳ないけど
その相手は今目の前にるこの私よ！四宮さんには悪いけど課長は私の事が好きなので
諦めてよね！・・・・って言えたらな～

「・・・わかりましたが、期待しないで下さいよ。課長がプライベートな事簡単に
教えてくれるかわかりませんから・・」
四宮さんは私の返事を聞くと気分を良くしたのか
くるっとまわれ右をしてそのまま出て行った。

疲れる・・・・
ばれないようにしなければいけないのはこういった事への対処法も
ちゃんとしなくちゃいけないのだ。
亮輔さんはたしか今夜出張から帰ってくるんだったな。
きっと疲れてるだろうし
今日の事は明日話をしよう・・・