来い恋
買い物を済ませ、家に着くと着替えも忘れ晩御飯の準備に取り掛かる。
亮輔さんと付き合うようになって初めて経験する事ばかりだ
今回は料理。男の人に手料理をご馳走するのも初めて。
はっきりいって料理は好きでもなければ嫌いでもない。
作れと言われれば作る程度。
今日はシーフードグラタンにレッドオニオンとトマトのサラダ、コンソメスープにした。
グラタンは亮輔さんが来たらオーブンで焼くことにしたので、
下準備とサラダとスープだけはやっておいた。
それからやっと着替えてない事に気がつき、シャワーだけ浴びて着替えを済ませ
TVを見ていた。
もちろんTVの内容など頭に入っては来なかった。
ソファーに腰を下ろしたら、亮輔さんが家に来た時の事を思い出してしまったからだ。

それからほどなくしてチャイムがなった。
急いで玄関のドアを開けると亮輔さんが、やや疲れた顔ながらも笑顔で立っていた。
「はい、今日のデザートはアイスクリーム」
私の大好きなショップのアイスクリームだった。
「ありがとうございます。あの・・・入ってください。」
亮輔さんは小さな声でお邪魔しますと言って入ってきた。
亮輔さんの顔を見ると
あの時の事を思い出してしまい、私は慌ててキッチンに戻り
グラタンをオーブンに入れた。
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