来い恋

「小春」という名の居酒屋、実はここ、薫の姉夫婦がやってる居酒屋で
薫と飲むときは必ずここで飲む。

「芽依ちゃん。いらっしゃい~」
薫の姉でもあるママ、遥さん(はるか)が出迎えてくれた。
薫はお先に失礼とばかりに生中を飲んですでにほろ酔い気分
私が薫の隣に座るとママはタイミング良く生中と先付けを出してくれた
薫が半分になった生中をもって私に差し出し
「おつかれ~」
乾杯と共に2人で一気に飲み干す。

私は2杯目のビールを頼んだ。
だが、その横で聞きたいことは山ほどあるって顔で私の方を見ながら
薫は枝豆を食べてる。
でも薫は絶対自分から話を振ってこない・・でも視線だけでわかる。
聞きたがってるって・・あーこの空気が嫌なんだよ。

「薫・・・亮輔さんとの事ききたいんでしょ?顔に思いっきり書いてあるよ」
「え?えへへへ?ばれた?」
「もうバレバレもいいとこ。そのくせ自分から聞こうともしないよね!」
このくらいの嫌みはいいよね。
「えー?だってプライベートな話だしー。そこは気を使うよ」
いやいやその顔は気を使ってませんが・・・
「で?何が聞きたいの?話せる範囲でしかお答えできませんが・・」
すると薫の顔がぱっと好奇心全開の顔に変わる。
「・・・・もうした?」
は?!もうした?とは一体何のこ・と・で・しょ・う・か????
私が固まってると
「だからさ~~もうエッチしたのか?ってこと」
どんだけどストレートなんだ?
私は顔が真っ赤にしながら店内を見渡してしまった。
「ちょ・・ちょとーこんなとこで大きな声で言わないでよ~~」
穴があったら入りたいというのはこういうことなのね。
でも薫は悪びれた様子もなく枝豆を食べてる。
「だからさー。どうなの?したの?してないの?」
「・・・・・してない・・・と思う」
「何?その曖昧な返事は。してないと思うって・・・じゃチューはしたの?」
「チューは・・・おでこ・・・」
すると薫は大きな声で笑い出した。
「は?なにそれ?・・どんだけプラトニックなんだよ」
薫の笑い声は止まらない。
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