来い恋

課長は社内一のモテ男

今朝はとてもバタバタしている
私の勤めている会社は鉄道会社系列のデパートです。
高校卒業後に入社し今年で5年目。
最初の2年は売り場で販売をしていたがその後
庶務担当になり売り場へはほとんど出ていない。
売り場に出るときは人が足りない時の応援のみ

今日の様に北海道大物産展が催事場で開催される日は決まって応援に行く。
昨日、帰る間際に物産展の担当主任から応援を頼まれた。
お昼休憩に行ってる間だけ売り場にでてほしいとのこと
なので通常業務に支障が出ないように今日は早めに出社していた。

応援のこともあり早めに総務に行こうと席を立とうとした時だった。
「おはよう吉野。今日は早いなー」
声を掛けてきたのは同じ部署の営業課長原田亮輔。
30歳という若さで早くも課長。
甘いルックスとモデル並みのスタイルで
社内一のモテ男とも呼ばれている。
もちろん彼を狙ってる女子社員は数多いが、彼のハートを射止めた女子社員は
未だいないらしい。
実はこの上司のおかげで私はかなり苦労をしている。
同じ部署でしかも庶務担当。
仕事柄事務所にいることが多いので課長と接することも必然的に多く、
他部署の女子から課長に一番近い女子といわれている。
そのためいろんな人から原田がらみの頼みごとをよく頼まれる。
課長はやさしいし決して嫌いではないが、女子社員からの頼まれごとには
正直うんざりで、いい加減さっさと彼女つくって結婚でもして私を楽させてほしいとさえ
思っているが、そんな私の心の叫びを課長が知るわけもない。

「おはようございます課長。今日からまた応援部隊なので・・・」
というと原田は応援という言葉で思い出し
「そうだったな~~いつも悪いな・・じゃー今から総務行くのか?」
「はい。ちょっと早いですが、早めに用事済ませたほうが何かと楽なんで」
書類を入れた布バッグを肩にかけ事務所を出ようとしたら
応援のお礼の前倒しにコーヒーおごるよといって
隣の休憩室へと私を促した。
 
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