来い恋
それから約3時間後に目的地であるテーマパークに到着した。
ホテルにチェックインして部屋に入る。
テレビや雑誌では見たことがあったが実際に泊るのは初めてだった。
部屋に入った途端足が止まった。
「すご・・い。綺麗・・・」
目の前には大きな窓とそこから見える景色。
そして部屋の中心にはアンティーク調の家具にクイーンサイズのベッド
アメニティーも充実しており私は一目で気に入ってしまった。
「亮輔さん見て!きっと夜景はめちゃめちゃ綺麗なんだろうなー」
窓から見える景色はテーマパークが一望できるようになっている。
でも亮輔さんからの反応がない。
振り向くと亮輔さんはベッドにドカッと大の字で寝ていた。
名前を呼ぼうと思ったがやめた。
長距離運転、何度か運転を代わろうかといったものの
大丈夫だからといって結局ずっと運転していた。
「・・・・ごめんね。ただでさえ疲れてるのに・・・」
私は亮輔さんの眠るベッドの隅に腰掛けた。
「・・・大丈夫」
亮輔さんの声が聞こえた。
「ごめんなさい。起しちゃった?」
「・・・このベッド寝心地いいから。ついね・・・」
亮輔さんはゆっくり目を開け私の手をとり指を絡ませる。
「寝てていいですよ。まだ時間はたっぷりあるし・・・」
「じゃあちょっとだけ仮眠させて。・・・芽衣・・・」
「何?」
「申し訳ないです・・って顔すんなよ」
 顔に出さないようにしていたのに思いっきり顔に出ていたことを後悔してしまう。
きっと車に乗ってる時から気付いてたんだろうな。
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