来い恋
しばらくすると、もうすぐパレードが始まるというアナウンスが入る。
すると急に亮輔さんが笑いだした。
何か可笑しなことでもあったのかと亮輔さんをみると
「ごめんさっき、アトラクションを待ってる間さー、芽衣ったら百面相してただろ?
あれ思い出したら笑えてきた。」
は?私の顔がおもしろくて笑えたって?
ひどい!
「酷い!あれには理由があるんです」
「理由?」
げ!言っちゃったよ
「やっぱりいいです。」
これ以上は何か嫌な予感しかしない。やめやめもうこの話おしまい
そう思ったがそれは許されなかった。
「よくない。ちゃんと話して」
「亮輔さんがかっこよすぎるのがいけないんですよ!」
「は?」
私の言葉に亮輔さんも笑いを止めた。
「歩いていれば振りかえられ、待っていればみんなが亮輔さんをみる。
男の人は彼女に亮輔さんを見せないようにするし・・・
だから人の目が凄く嫌だなーって頭の中で悶々としていたのが顔に出てたんですよ!
きっと」
すると亮輔さんは私の肩をぐっと引き寄せた
「それって・・・嫉妬?」
私は亮輔さんの顔をみて黙って頷いた。
「俺はここのキャラクターに嫉妬してたよ」
気づけばもうパレードは始まっており
陽気な音楽に合わせてキャラクタ―たちが踊ったり、手を振っている
「私には亮輔さんしか見えてませんよ」
自然とお互いの顔が近付く
「俺も・・・芽衣しか見えてないよ」
私たちはパレードのことなど忘れてキスを交わした。
光のパレードよりもロマンチックな熱いキスを・・・
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