ひつじとライオン

サドルに手をついて女を見やる。
女は相変わらずの体勢のまま、へらりと笑っている。


やべぇ、俺……おかしいのに関わった?


「……立たないの?」

「あ!そうですね!忘れてました」

「は?」

「いやぁ、花壇に突っ込んだのは初めてで……」


そうそう経験しないよ。


「土って冷たくて気持ちいいなぁとか考えてました」


他にもっと思うとこあるんじゃないか。
まぁ、捻挫とかしてないようで、良かった。


「立ちます」

「そうですね」

「よっこら、……なっ!?」


次は何。


< 12 / 44 >

この作品をシェア

pagetop