ひつじとライオン


「じゃー、もう一つ女の話題!」

「無理」

「昨日の花壇の子!助けてあげたの?」

「……」


悟に言われ思い出す女のこと。
後輪浮かせて花壇にダイブし、倒れてきた自転車を受け入れ、血にビビりハンカチをうまく使えなかった女……。


「えー!なんで噴出すの!?楽しいことあった!?」


走馬灯のように流れていく女に笑いを抑えられなかった。
昨夜、寝る前も思い出して笑ってたっけ。


「まじ変な奴だった」

「どんな?」

「礼儀正しくてビビりで不器用だった」

「どゆことー」



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