ひつじとライオン
紙に書かれていたのは、人。
それは分かる。
でかい丸の中に目と鼻と口があったから。
髪は黒く前髪はセンター分け?
そんなもんいねーし、そんなもんごろごろしてるともいえる。
それだけ特徴はないし、絵としてのクオリティは本当にラクガキ。これで人を探すのは無理だ。七つのボール捜す方が簡単。
「この人、うちの奴なの?」
「え、はい。制服が……」
「名前は?」
「分かんないです」
悟が聞いてやるが情報は出てこない。
そりゃそうだ、じゃなきゃこんな落書きで人を探すわけがない。
「頑張ってね」
俺は先に歩き出し、悟はそう声をかけてやった。
が、
「あ!あの!」