ひつじとライオン


「何で探してんの?」

「ハンカチ借りててさ」

「あぁ、足にしてたやつ?」

「そう。返したいんだけど、名前とか知らないし」

「で、ここで待ち伏せ?」

「失礼な言い方はやめてくれたまえ」


確かに待ち伏せだけども。
しかも当てもない待ち伏せ。


「……って、ちょっと待って。もしかしてその人探して昨日?」

「うん、そう」

「こら」


ペチン、もう一度、さっきより強く額を叩かれた。
痛い。


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