ひつじとライオン


視線を逸らし、自転車を立て直す。
もうスカートは捲れていないだろうとそちらに顔を向ければ、先程とあまり変わっていない。
さっきの「あ!」は何だったんだ。


「あぁぁ……」

「……」

「花、潰してしまった…」


いや、それよりスカート。中身見えてますよ。


さすがにそれは言えないので、「じゃ」と立ち去ることにした。
オトコノコが皆パンチラ大好物と思ったら大間違いだ。


「あ!ありがとうございま、しーーーーーーッ!」


なんだその礼は。
思わず噴出しながら、ちらりと振り返れば、


「え」


またも自転車に乗られていた。
なんで?

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