忠犬カノジョとご主人様
“ただの部下で、終わりたくないです”。
……そういえば私も、ソラ君に告白するとき、同じようなことを言った。
ただの同期で、終わりたくないです、と。
なんだかその時の自分と重ねると、少し切なくなって、でもその思いに蓋をするように、私は、きつく目を閉じた。
私のこういう中途半端な同情や優しさが、ソラ君を不安にさせてしまうから。
私はもう、この、世界一大好きな人を、2度と不安にさせたくないと、そう強く思ったんだ。
八神君とソラ君 完