忠犬カノジョとご主人様
―――そう言って、ソラ君の唇が、優しく私の唇に触れた。
びっくりして、恥ずかしくて、ドキドキして、顔が一気に熱くなった。
私が一人でパニック状態になっていると、ソラ君はそんな私を見て意地悪く笑って、もう一度キスをしてきた。
「ごめんね、俺外国育ちだから」
「そ、そういう問題じゃ……」
「はは、真っ赤だ」
―――でも、この人となら、
私のトラウマも、
ソラ君のトラウマも、
一緒に乗り越えていけるような、そんな気がしたんだ。
大好きな人の為に尻尾振ってついていく私は、そんなに嫌いではないと、そう思ったのだ。