忠犬カノジョとご主人様


―――そう言って、ソラ君の唇が、優しく私の唇に触れた。

びっくりして、恥ずかしくて、ドキドキして、顔が一気に熱くなった。

私が一人でパニック状態になっていると、ソラ君はそんな私を見て意地悪く笑って、もう一度キスをしてきた。


「ごめんね、俺外国育ちだから」

「そ、そういう問題じゃ……」

「はは、真っ赤だ」


―――でも、この人となら、

私のトラウマも、

ソラ君のトラウマも、

一緒に乗り越えていけるような、そんな気がしたんだ。

大好きな人の為に尻尾振ってついていく私は、そんなに嫌いではないと、そう思ったのだ。





< 66 / 71 >

この作品をシェア

pagetop