*総PV2億突破御礼*完
そうして着いたカフェだけど。
今日は黒髪の彼はいなくて。
最近、ずっと彼がいたから拍子抜けしてしまった。
「小春、残念だったね~」
ニヤニヤと茶化すような笑みを浮かべているのは、なっちゃん。
「そんなことないもん」
「またまた~! でも、あたしの方が残念だったよ。小春が意中の彼を見れなくて」
「だから、ちがうってば!」
必死に否定するけど、彼女はわかってくれない。
本当にそんなんじゃないんだ。
好きとか、よくわかんないし。
彼の彼女になりたいって思ってるわけでもない。
ただ、気になる人ってだけ。
傍にいたら目で追っちゃうし、いっつも不機嫌な顔だから色んな表情を見てみたいなぁ~って思うだけ。
好きっていうより……憧れに近いかもしれない。
そんなことを考えながら、コーヒーの入ったカップを眺めていた。