*総PV2億突破御礼*完
車線の多い道は乗用車のエンジン音がうるさい。

たまにスピード狂かって思うほどバイクに乗った人たちが車の間を駆け抜けていくけど、その騒音ったら迷惑以外の何物でもない。

本人たちはカッコつけているのかもしれないけどね。

左手首につけた腕時計で時間を確認すると、16時20分。

18時からバイトだから、それまでは休もう。


肩にかけたA4サイズのトートバックを持ちなおして、とあるショップを目指す。

ファッションビルやゲームセンタなどの商業ビルの前を通り、大通りから小脇の道に入った。

すると、騒音も小さくなって、少しホッとする。



あたしが生まれ育った町は、都会の喧騒とは無縁な田舎。

山や海に囲まれた自然だけが取り柄の質素なところで。

大都会に上京して来たけど、少しでも静かな空間があると落ち着くんだ。




入り組んだ道を進むと見えてくるのが、あたしがお気に入りのカフェ。

周囲にはアクセサリーや小物を扱う雑貨屋さんやファッションブランドのお店などもあっておしゃれだ。



ダンススクールに通い始めて数日経った時。

寄り道してみようとぶらぶらと歩いていたら見つけたのだ。



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