*総PV2億突破御礼*完

そうして迎えたオーディション当日。


会場は中心街にある雑居ビルで、そのビル内にあるレコーディングスタジオで歌唱テストと別のスタジオで撮影審査を行う。


時間に余裕を持っていこうと思って、集合時間の30分前に会場へついたのだけども。


「え……なにこれ……」


その人の多さに圧倒されてしまった。

ざっと見ただけでも50人は超えてそうだ。

集合時間の30分前で50人でしょ?

今日受ける女の子たちって何人いるんだろう。

オーディションは全国各地で行われているし、都市は会場をいくつかに分けていると聞いた。

そのひとつの会場で50人以上いるなんて……。


BKN48の人気の高さがわかるような気がした。


「大丈夫かな……あたし」


周囲をみれば、容姿の整った女の子がたくさんいる。

金髪の彼女には及ばなくても……目を惹く子が多い。

みんなアイドルになりたいんだよね……。


唄うことが好きってだけじゃ、本当にこの世界は厳しいことはわかってる。

でも、あたしだって茅那ちゃんと一緒のステージに立ちたいんだ。

この夢だけは譲れないから。


「いつも通りにやったらいいんだ」


バックを握りしめる手に力を籠め、自分に言い聞かせるように呟く。



「オーディション参加者はこちらで手続きをお願いします」



スタッフなのか、男性が手を挙げて誘導を始める。


よし、行こう。

再度バックを握る手に力を込めて、あたしはオーディション会場へと足を踏み入れた。


< 63 / 81 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop