*総PV2億突破御礼*完
そうして迎えたオーディション当日。
会場は中心街にある雑居ビルで、そのビル内にあるレコーディングスタジオで歌唱テストと別のスタジオで撮影審査を行う。
時間に余裕を持っていこうと思って、集合時間の30分前に会場へついたのだけども。
「え……なにこれ……」
その人の多さに圧倒されてしまった。
ざっと見ただけでも50人は超えてそうだ。
集合時間の30分前で50人でしょ?
今日受ける女の子たちって何人いるんだろう。
オーディションは全国各地で行われているし、都市は会場をいくつかに分けていると聞いた。
そのひとつの会場で50人以上いるなんて……。
BKN48の人気の高さがわかるような気がした。
「大丈夫かな……あたし」
周囲をみれば、容姿の整った女の子がたくさんいる。
金髪の彼女には及ばなくても……目を惹く子が多い。
みんなアイドルになりたいんだよね……。
唄うことが好きってだけじゃ、本当にこの世界は厳しいことはわかってる。
でも、あたしだって茅那ちゃんと一緒のステージに立ちたいんだ。
この夢だけは譲れないから。
「いつも通りにやったらいいんだ」
バックを握りしめる手に力を籠め、自分に言い聞かせるように呟く。
「オーディション参加者はこちらで手続きをお願いします」
スタッフなのか、男性が手を挙げて誘導を始める。
よし、行こう。
再度バックを握る手に力を込めて、あたしはオーディション会場へと足を踏み入れた。