*総PV2億突破御礼*完
夢の終わりと始まり

二次審査から1週間。


あれほど緊張していたというのに。

終わってみれば、審査の時間はあっという間だった。


「ん~やっぱりダメだったかも……」


大学の教室でテキストをパラパラとめくりながら呟く。

びっしりと書かれたテキストの内容は、頭に入ってこない。


「手ごたえはあったの?」

「う~……少しは、かな」


隣に座っているなっちゃんが問いかけてくる。

彼女の質問に、苦笑いで答えた。

本当は、あんまり審査中のことは覚えてない。

緊張しすぎていたのか、記憶が数時間分吹っ飛んでいるのだ。

気付いたら、控室みたいなところにいて……二次審査終了と解散の言葉を聞いた。


「そっかぁ~」


あたしの表情から心情を読み取ったのか、なっちゃんは頬杖をつきながら視線を教団の方へと向けた。

講義の終了した教室には、あたしたちしかいない。


二次審査の会場で、合否の通知は1週間後って言われた。

今日で、その1週間になる。


早くて今日、もしくは明日、明後日には通知の封書が届くだろう。

でも、家のポストを見るのが怖い。

その封書に、あたしの未来はかかっている。

< 64 / 81 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop