*総PV2億突破御礼*完
夢の終わりと始まり
二次審査から1週間。
あれほど緊張していたというのに。
終わってみれば、審査の時間はあっという間だった。
「ん~やっぱりダメだったかも……」
大学の教室でテキストをパラパラとめくりながら呟く。
びっしりと書かれたテキストの内容は、頭に入ってこない。
「手ごたえはあったの?」
「う~……少しは、かな」
隣に座っているなっちゃんが問いかけてくる。
彼女の質問に、苦笑いで答えた。
本当は、あんまり審査中のことは覚えてない。
緊張しすぎていたのか、記憶が数時間分吹っ飛んでいるのだ。
気付いたら、控室みたいなところにいて……二次審査終了と解散の言葉を聞いた。
「そっかぁ~」
あたしの表情から心情を読み取ったのか、なっちゃんは頬杖をつきながら視線を教団の方へと向けた。
講義の終了した教室には、あたしたちしかいない。
二次審査の会場で、合否の通知は1週間後って言われた。
今日で、その1週間になる。
早くて今日、もしくは明日、明後日には通知の封書が届くだろう。
でも、家のポストを見るのが怖い。
その封書に、あたしの未来はかかっている。