*総PV2億突破御礼*完
路面に面し、歩道にせり出すまではないけどテーブルと椅子が数セット置かれている。
その横を通り、透明なガラスの扉を開けた。
カラン……と心地よい音がして、新しい客が訪れたことを店内に知らせる。
壁一面がオフホワイトで、床は漆が塗られた木目で美しい。
テーブルも木で、なんとなく落ち着くのだ。
普通のイスからソファーの席まであって、少しだけ衝立もあるので半個室みたいな感じ。
繁華街の喧騒から解放される空間が作られている。
だからお気に入りなの。
さっと周囲を見渡すと、お客さんはあまりいないみたいだった。
めずらしい、いつも多いのに。
「いらっしゃいませ」
背の高い男性のウェイターがあたしを席へ案内してくれる。
着いたのは、ひとり掛けのソファー席だった。