*総PV2億突破御礼*完
いつかのようにバックと書類を握りしめて、パンプスを履くと家を飛び出す。
「慌てすぎてケガしないでよ」
「うんっ! 行ってくるね」
なっちゃんの忠告を背に受けながら、あたしはアパートの階段を軽快に駆け降りた。
高さはそれほどないが、ヒールのあるパンプスでアスファルトを蹴って走る。
書類のことを思い出すと嬉しさがこみあげてきて、顔は緩みっぱなし。
すれ違う人に変な目で見られちゃったりしたけども、そんな些細なことはどうでもいいと思えた。
それほど喜びの方が大きかったんだ―――……。