*総PV2億突破御礼*完
駅まで小走りで向かう中、さきほどの部屋でのやり取りを思い出す。
結果をなっちゃんに見せた時の彼女の表情。
『小春、おめでとう! すごいよ!』
驚きと喜びですぐにいっぱいになって……自分のことのように祝ってくれた。
小さな部屋でなっちゃんと抱き合って合格を喜び、夢ではないのだと感じた。
封を開ける前は精神安定のような存在だったダージリンの紅茶も、あたしたちには祝杯のお酒のように思えて、ふたりで乾杯したんだ。
なっちゃんと合格を噛みしめていると、彼女が『高瀬さんには知らせないの?』と言ってきた。
実は、二次審査の1週間前から今日まで、高瀬さんのバイトしているカフェにはいっていない。
オーディションがあったし、自分を追い込むためにも誘惑のあるカフェや外食は避けてた。
二次審査が終わっても、結果が気になってたし……そんな状態で高瀬さんのところに行っても上手く笑えないと思ったから。
好きな人には、とびっきりの笑顔みせたいじゃない?
不安でうずくまってるような姿なんて見せたくない。
「そうだね、今度伝えに行こうかな?」
なっちゃんに向かって返すと
「今度じゃなくて、今日でしょ?」
と、言い返されてしまった。