*総PV2億突破御礼*完
カランカランとドアの鐘が鳴っている中、カフェの裏手へとまわる。

人が行き来できるスペースは十分にあって、あたしは封筒を握りしめてそっと近づいた。


「高瀬さん、いるかな……」


まだ帰ってないよね?

カフェのある通りに高瀬さんらしき人物はいなかったし、まだバックヤードにいるのかな。


カフェの建物に沿って裏手まで続く道はコンクリートで舗装されてあって、ヒールで歩く度にコツコツと音が鳴る。

時間は夕方をとうに過ぎていて……夜の7時近く。

辺りは薄暗くなっている。

外壁に沿って進み、曲がり角までやってきて……わずかに聞こえた話し声にあたしは足を止めた。

壁に体を隠して奥を覗きこむ。



「早くいこうよ、時間ないんだからね!?」

「はいはい」

「またそういって、全然急がないんだから!」

「はいはい」



話し声の正体は、高瀬さんと……明るい栗色の髪色の女の子。


彼女はどこかで見たことがある。

手足が長くてスラッとしていて……ワンピース姿。




あ……金髪の美女だ。

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