*総PV2億突破御礼*完
「二次審査合格じゃ……ダメだよ」
頬に伝う涙を手で拭って、空を見上げる。
さっきまでうす暗かった空は、もうそろそろ黒のマントをまといそうだ。
見上げる限り雲が見えないから……今日は星が見えるかもしれない。
こんな都会じゃ、田舎のような星空は望めないけれども。
晴れた空は、あたしに頑張れってエールをくれているような気がした。
絶対に、オーディション合格してみせる。
新メンバーに入って、茅那ちゃんと同じステージに立って。
夢をかなえてみせる。
それが出来たら、もっともっと自分に自信が持てるよね?
その時なら、今より笑えると思う。
今はどうしても涙が止まんないから。
上を向いていても、次から次へと流れてくる雫を拭った。
好きな人にはとびっきりの笑顔を見せたいから―――……。
書類をギュッと握りしめると、あたしは来た道を戻った。
「また来ますね、高瀬さん」
その言葉を残して。
==END==