【完】私と先生~私の初恋~
先生の顔を見ないようにしながら、私は先生に背を向ける。
ここから離れるのを拒否する気持ちを懸命に振り払いながら、私は歩き出そうとした。
その時、急にぐっと腕を引っ張られる。
驚いて振り返ると、先生は下を向いたまま、私の腕をしっかりと掴んでいた。
また暫らくの沈黙。
暗い中、下を向いている先生の表情は見えない。
「あの…」
言いかけた私を遮るように、先生は静かな声で呟いた。
「……理由はそれだけ?」
「え?」
「…僕から離れる理由はそれだけ?」
何を言われているのかが解らず、混乱して体が固まる。
「…僕の事が嫌だからとかじゃなくて、迷惑をかけたくないからとか……理由はそれだけ?」
下を向いたままの、先生の冷たい声が怖い。
私は小さく「はい」とだけ返事をした。
「…………………あれから…色々考えたんですよ。」
先生が溜め息まじりにそう言った。
あれから?何の事?さらに混乱する。
「何を…ですか?」
「貴女と僕の事。」
何を話しているのかがようやく解って、私の胸はドキッとした。
「…貴女に好きだと言われて、正直あの時は凄く困りました。
でも、何となく気がついてはいたんです…昔から。」
私は黙って頷いた。
「僕は教師で、貴女は教え子だ。
どうにかなったらいけない。
そう思いながらも、貴女に頼られると心配でついつい手を出してしまう。」
「……。」
ここから離れるのを拒否する気持ちを懸命に振り払いながら、私は歩き出そうとした。
その時、急にぐっと腕を引っ張られる。
驚いて振り返ると、先生は下を向いたまま、私の腕をしっかりと掴んでいた。
また暫らくの沈黙。
暗い中、下を向いている先生の表情は見えない。
「あの…」
言いかけた私を遮るように、先生は静かな声で呟いた。
「……理由はそれだけ?」
「え?」
「…僕から離れる理由はそれだけ?」
何を言われているのかが解らず、混乱して体が固まる。
「…僕の事が嫌だからとかじゃなくて、迷惑をかけたくないからとか……理由はそれだけ?」
下を向いたままの、先生の冷たい声が怖い。
私は小さく「はい」とだけ返事をした。
「…………………あれから…色々考えたんですよ。」
先生が溜め息まじりにそう言った。
あれから?何の事?さらに混乱する。
「何を…ですか?」
「貴女と僕の事。」
何を話しているのかがようやく解って、私の胸はドキッとした。
「…貴女に好きだと言われて、正直あの時は凄く困りました。
でも、何となく気がついてはいたんです…昔から。」
私は黙って頷いた。
「僕は教師で、貴女は教え子だ。
どうにかなったらいけない。
そう思いながらも、貴女に頼られると心配でついつい手を出してしまう。」
「……。」