「makoさんも葵の好きな人のこと知ってるんですか?」



同い年だけどすっかり改まってしまっている沙都子。



こんな沙都子ははじめて見る。



なんだか笑える。



「makoさんだなんてやめてよ気持ち悪い!マコちゃんでいいよ!マコ、とかマコトとか、もう友達でしょー?」



「えええええ…い…いやぁ…そんな、恐縮です」



沙都子面白い。



「えーなんでー?いーじゃーん。
てかねーねー、カズくん」



「えっなに俺?」


ターゲットは沙都子から一人に移った。



「そうだよ。あおいんのこといじめてない?泣かしたら許さないよ」



「は!?いじめてねーし泣かしてねーよ」


マコちゃん、急にどうしたんだろう?


「ほんとにー?カズくん性格悪いからみんな気を付けなよー。まなちんかわいーし。さとちん騙されやすそうだし。あおいんもだけど」



「え、かわい…え…」


真奈美絶句。


当然です。



「騙されやすそう…か…」


沙都子意気消沈。


これも当然です。



たまに毒吐くのもテレビとまったく違わない。


むしろこれが素。


本人に悪気はないから許されてしまう。



「俺ってそんな風に思われてたの?マコたちに」


「他の人はどうか知らないけど、少なくとも悠希は」


ニコッと笑ったマコちゃんだけど、そこ笑うとこじゃない。



「だってー。
チャラいしおたんこなすだし何気に顔いいし、遊び人だしぼけなすだし、何気にイケボだし…」



「おいおい、やめろよ、俺の印象が…」


「ほんとだからね!気を付けなよ!みんな!イッチーもだよ!わら」



'わら”を口で言うのは直ってないんだね…。



「みんなぁ気を付けろよ、こいつ裏で何考えてるかわかんねーぞ」



マコちゃんにいじめられた一人が仕返しをした。


が。



「女の子なんてみんなそんなもんだよ。そうですよね、マコちゃんさん!」



沙都子はマコちゃん派だった。


そして…。


「マコちゃんさんにならどう思われてもいいよ」


真奈美も…。


あーあ、かわいそうに。一人。


「みんなひでーな」



ショボくれた一人を見たのはみんなはじめてだったから、みんなで大爆笑してしまった。

ファミレスなのに…。
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